「彦一」はなしは、ブログ管理者の出身八代市出町に住んでいたと伝わっています。近くの光徳寺に彦一塚がありました。
つまずいても、ころんでも、おされても達磨のように起き上がり強く生きてゆく、困っても力強い行動力をもっていたと伝わっています、語り伝えるはなしは、民衆のちえやユニークなものが多く、八代だけでなく日本人の根底にふつふつと流れているものと考えさせられます。
殿様の行列
いつも悪さを働く野上のベッピン狐に痛い目を見せてやろう、と考えていた彦一が、殿様の行列が明日あることを聞いて、狐に化かしくらべを申し出た。約束の時刻に、萩原堤の松の枝にのっていた狐が、下を通りかかった行列の見事さに「いーぞ、いーぞ 彦一ちゃん、大変上手ね。」と大声をあげた。それを聞いた供人達は、大勢で追いかけヤリで捕えようとした。さすがのベッピン狐も怖くなって、自分のねぐらから当分の間、出てこられなくなったとさ。
困った米
狐がいつ仕返ししたいとたくらんでいた。それを聞いた彦一は、師走の支払いに大変な時ではあるし、朝、暗い中に家の前の往来に、米を点々とこぼしておいて夜のひきあげ、「朝からこんなに散らいたら困ったもんだ、小川通いの荷車ヤツだろ。あしたまた落ちとったらどうしよう・・・・・。」と大声で言っていた。
それを聞いていた狐は、翌朝、うんと米をこぼしておいて彦一を困らせようと考えた、彦一は十日間これは困った、困ったと言い続け、良い正月を迎えることができました。
宇土のスグルワラ
「宇土のスグルワラ名」の、珍しく化け上手の狐が、宇土におりました。馬のクソを、まんじゅうに見せてだますとのが得意です。彦一は、この狐をこらしめてやろうと、この狐へ八代から生きた鮒をもって行き、ごちそうしました。スグルワラは、大変喜びました。
「こんなにおいし鮒食ったのは初めてだ。どちらから来られたのかな。」
「八代においでよ。八代城で沢山釣れるよ。」
スグルワラは、八代城のお堀に尻尾をつけて、一晩中霜夜にふるいあがったうえ、尾が凍りついて、危なく殺される羽目に会い、一目さんに逃げ帰ったそうです。